仕事を続けるママが妊娠中に知っておくべき!妊娠中の職場生活に関する法律
妊娠しても働きたい!(働かなくてはいけない!)
最近は仕事と子育ての両立を考えるママが増えています。しかし、初めての妊娠・出産だと色々なことに悩みますね。
その悩みの1つに「職場との関係」があります。
「妊娠中は体がつらいから早く帰りたいと伝えたけど残業が続いている」
「出産して働いている人がいないと言われて退職させられそう・・」
など自分の意思と職場の意見が合わないということがあります。
しかし、実はそれらは法律で禁止されている事かもしれません。
それを知っていれば会社に権利として訴えたり、相談機関を頼ったりすることもできます。
仕事を続ける女性は法律で守られている
妊娠中の女性は、体の変化も大きく、しっかりと検診を受けなければいけないなど特別な配慮が必要となります。そのため、仕事をする上で妊婦さんを守っていくための法律が定められています。
そして、法律と一緒に調べてほしいのが会社の規定です。法律は妊婦さん全体を守るもので、それに沿って会社にあった規定を定めることになっています。
小さい会社だと前例がないから規定が曖昧ということもあります。その場合会社と話あったり、トラブルになったら第三者に相談したりすることも必要です。まずは妊婦さんに関する法律にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
妊娠中に知っておくべき法律
妊娠中の女性が働く時に知っておきたい法律は大きく2つあります。
・男女雇用均等法における母性健康管理の措置
・労働基準法における母性保護規定
それぞれ詳しく見ていきましょう。
男女雇用均等法における母性健康管理の措置
男女雇用均等法では、会社が妊娠中および出産後1年以内の女性従業員に対して、検診等に必要な時間の確保や医師の指導等を守れるような措置を義務付けしています。主なものは以下の4つです。
(1) 保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保(法第12条)
(2) 指導事項を守ることができるようにするための措置(法第13条)
(3) 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(法第9条)
(4) 紛争の解決(法第15条~第27条)
(1)は、妊娠中や産後1年以内で必要な健康診断等の時間の確保です。妊娠中には妊婦検診や保健指導があります。会社側はこれらの時間の確保が義務づけされているので、妊娠したらスケジュールに関して会社と相談をしましょう。
(2)は、医師等の指導が出た場合、それを守る措置を取らなければいけません。例えばつわりがひどい、お腹が張る等の症状が出た場合、それらを考慮して時差出勤や休憩時間を長くするなどして対処をしてもらえます。
(3)は法律を行使したことで解雇や減給など不当な扱いをしてはいけないというものです。(4)は会社との紛争が起きた場合、調停など紛争解決の援助を求めることが出来るというものです。
令和2年5月7日〜令和3年1月31日までは、新型コロナウイルスに関する措置が追加されています。感染に関する心理的ストレスが妊婦さんに影響があると医師が指導した場合、必要な措置を会社が行わなければいけないとするものです。
参考ページ:厚生労働省 妊娠中の女性労働者の新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置が本日から適用されます
労働基準法における母性保護規定
労働基準法は労働条件の最低基準を定めるものです。こちらにも妊婦さんを守るものがいくつかあります。
(1) 産前・産後休業(法第65条第1項及び第2項)
(2) 妊婦の軽易業務転換(法第65条第3項)
(3) 妊産婦等の危険有害業務の就業制限(法第64条の3)
(4) 妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限(法第66条第1項)
(5) 妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限(法第66条第2項及び第3項)
(6) 育児時間(法第67条)
(7) 罰則(法第119条)
いくつか簡単に説明すると、出産前後は決められた期間休むことが義務付けられています。いわゆる産休と言われるものは労働基準法の中で定められているのですね。
他には、業務の負担が大きいと感じた場合、請求すれば業務を変えてもらうことが出来ます。例えば立ち仕事で体の負担が大きくなったと感じたら、デスクワークに変えてもらうよう請求することが出来るのです。
残業時間や深夜業の変更なども請求できます。そして、これらは規定で定められていますが、守ってもらえなかった場合、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
参考ページ:厚生労働省 働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について
法律を知り、無理のない働き方を考えよう
基本的には、これらの法律に則った会社の規定があり、妊娠したら規定を確認することが大切です。しかし、妊娠・出産は人それぞれ違います。何かあった時は会社側と相談し、無理のない働き方をしていくことが望ましいです。
もし、会社とトラブルが起きたら最寄りの都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ相談しましょう。紛争解決援助制度というものがあり、援助をしてくれます。
妊娠・出産の先には育児があります。子供を産んで育てていくのは長期戦です。先のことを考えながら無理のない働き方を考えましょう。
参考資料(PDF):雇用環境・均等部(室)所在地一覧(令和2年4月13日時点)
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